こんにちは, カセイジンです.
今日から毎週火曜夜に「宇宙と人類」という連載をはじめます.(全6回の予定)
(これは真面目に書こうと思っているので, 普段の記事のようにふざけた文体ではありません.)
それでは第一回「神と宇宙と人類と」START!
「神様は宇宙にいる」(宗教的価値観)
それは気が遠くなるくらい昔のこと.
人々は夜空の星々を眺めながら祈りを捧げていました.
「今年は豊作でありますように」
「元気な我が子が産まれますように」
そうやって, 当時から人類は超自然的な神を信仰し, 崇め, たたえていました.
そして彼らは 「この地球を, 人類を創造したのは神だ. その神は宇宙をも創った. 」と信じていました.
「この宇宙のどこかに神がいる」
いつしかこう思われるようになり, それが当時の一般的解釈になりました.
もともと, 現在存在する学問は神を探求するために生まれたとも言われます.(諸説あり)
哲学...愛って何だろう. 神だったらどう考えるのか
音楽...想いを音にのせて神へ
天文(物理数学含む)...神はどこにいるのか
宇宙と人類, その間には「神」という存在が仲介していたんですね.
ですから昔の学問には宗教的な価値観が大きく反映されていました.
天動説(Ptolemaic theory)と地動説(Copernican theory)
前節で宇宙を探る上で宗教的価値観が真っ向大きく影響していたことを書きました.
この説では, 宗教的価値観が科学的証拠/事実とから対立した例をご紹介します.
天動説とは
我々が住んでいる地球という星は特別な存在であり, 地球を中心に世界が回っていると考えた説
天動説はメソポタミア文明(B.C2700頃)からあった原始的な宇宙観に基づく考え方でした.
しかし, ギリシア, ローマを中心に科学的観測が進み天動説では説明のつかないことが多くなりました.
(キーパーソン:アリストテレス, プトレマイオス, ガリレオ, コペルニクス)
それでは歴史的に追っていきましょう.
まずはアリストテレス.(この時代, まだキリスト教はありません.)
アリストテレスは古代ギリシアの最高知性と言われるほど 頭の良い人物でした.
有名な著書は「形而上学」.
彼は, 自身のアリストテレス哲学に基づき天動説を提唱します.
アリストテレスは全ての根源が火・空気・水・土だと考えました. そして彼は割と直感的に物事の仕組みを考えていきます.例えば, “重いものの方が軽いものより速く落下する.” これは違いますね. 丸めたティッシュと重い本と胸の高さから落としてみると同時に床へたどり着きます. こんな感じで直感的にいろんなことを考えたアリストテレスは, 太陽が東から西へ沈む, 星が動く方向は同じ, といったことから, 地球を中心に全ての星は回っているという天動説を提唱しました.
この考え方は2000年もの間信じ続けられるのです...><
プトレマイオスもやはり天動説を支持しました.(この時代にはキリスト教あり.)
彼は自身が使える計測機器で天体の角度を測定し, ローマではそれが天動説をサポートするエビデンスとなりました.
その後, キリスト教も天動説を支持するようになり, 天動説が定説化されていきます.
そして天動説はここで大成されます.
しかし, ニコラウス・コペルニクスが天動説では説明できないことがあると気づき, 地動説を発表します. 多くの観測結果をまとめ, 『天体の回転について』という書物にまとめますが, 当時のキリスト教会と世間から無視されてしまいます.
ひどく傷ついたコペルニクスは失意の中天国へ旅立ちます.
その後, ガリレオ・ガリレイが望遠鏡を用いて地動説の正当性を証明するも, 宗教裁判にかけられてしまいます. 有罪判決を受けたガリレオの, 「それでも地球は回っている」発言は有名ですね.
18世紀に入り, 観測技術の向上とケプラーやニュートンの研究のおかげで,地動説が正しいとようやく認められるようになりました.
今となっては地動説が正しいということは常識になっていますが, それが認められるまでの2000年間の歴史を振り返って見ると実に多くのドラマがありました.
聞いたことのある名前, だけで終わらせず, 裏のドラマを見ていくのも楽しいですね.
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さて, 「宇宙と人類」シリーズ第一号「神と宇宙と人類と」いかがでしたでしょうか.
これから全6回で完結する予定なので毎週火曜日夜を楽しみに過ごしていただければと思います.
レファレンス
「天動説」http://www.y-history.net/appendix/wh0103-177_02.html
「天動説と地動説」http://www.astron.pref.gunma.jp/kyozai01/tendou/tendou_top.html
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